俳優の竹野内豊が、川上弘美氏の人気小説を井口奈己監督が映画化する「ニシノユキヒコの恋と冒険」に主演していることがわかった。希代のモテ男だが、最後には必ず女性の方から去ってしまうという、せつない役どころ。“ニシノ”を取り巻く女性たちに扮するのは、尾野真千子、成海璃子、木村文乃、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子、中村ゆりか。撮影を終えた竹野内は、「本当に素敵な方々ばかりで……。とても幸せな撮影現場でした」と振り返っている。 「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」での熱演により、第54回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞した竹野内が、芥川賞作家・川上氏が仕掛けた連作短編集の映画化に挑む。ルックスが良く、仕事もでき、セックスも良く、女には一にも二にも優しいが懲りることを知らないニシノユキヒコ役。この役どころについて、「男の自分からと何がそんなにいいのか理解しがたいところがたくさんあるので、監督をはじめ、とにかく女性が多い現場ということもあり、意見を聞きながらニシノユキヒコという女性の理想の男を何とか理解しようとしています（汗）」と話している。 メガホンをとる井口監督は、永作博美＆松山ケンイチ主演作「人のセックスを笑うな」以来、5年ぶりの最新作となる。初タッグとなる竹野内は、「見た目からは想像つかないほどのドSな監督ですね」と驚きを隠せない様子。さらに、「ラブシーンの時など、本番直前に『リハの10倍ラブラブな感じで！』などといって、台本には書かれていないアドリブをかなり求めてきました。なかなかカットをかけてくれないので、私と尾野真千子さんでR15指定にならないように、必死でカットを待っていました」と述懐した。 一方の井口監督は、竹野内について「ニシノユキヒコがいる！ と思いました（笑）」と太鼓判を押す。久々の現場だが気負いはなく、「いろいろなことが起きるのが現場ですが、小さなラッキーが積み重なって大きな成果が出るんじゃないかと思っています」と自然体だ。 なお、尾野はニシノとオフィスラブに発展する上司、成海と木村はニシノの隣室で同居する2人、本田はニシノの元恋人、麻生はニシノと10年前に恋に落ちた人妻、阿川は料理教室でニシノに恋をしてしまう主婦、中村が物語の重要な鍵を握る15歳の少女に扮する。 「ニシノユキヒコの恋と冒険」は、2014年2月に全国で公開。